建築レポート ~撮影現場から~ 『愛でるカタチ』

建築レポート|2015月05月08日

10年・20年先も寄り添った『愛でるカタチ』


4月の長雨が終わった晴れ間に、完成住宅の写真撮影にお邪魔しました。

お住まいは、街の中心に近い住宅地です。しかし、休日の日中でも街の音が聞こえない静かな区域。

それでも下町の趣を残しながら、世代交代が進んでいるようです。

人が暮らす住まいの集合体の街も、変化しながら生きているのだなーと思いました。


さて、今回撮影したお住まいには、ご夫婦とお子様の家族3人で生活されています。

白を基調とした光溢れる空間に、木の色と香りが心地よく、ご家族の明るい力強さを感じます。

お子様は4歳の男の子、全介護を必要とする脳性麻痺を抱えています。

そこで家づくりでのキーワードは「脳性麻痺、バリアフリー」で調べ始めたようです。

施主様の豊かに過ごす空間のイメージと、介護に寄り添った空間づくりにマッチングしたのが、

フォレスタイルに登録されている設計士さんでした。


カリモクインテリアと木のフロアダイニングテーブルとキッチン、横長の関係2階部分はご主人の趣味の場所

【左写真】カリモクインテリアと木のフロア

【中央写真】ダイニングテーブルとキッチン、横長の関係

【右写真】2階廊下部分はご主人の趣味の場所


施主様と住まいづくりについてお話しして感じたこと1つ目が、

設計士さんの配慮力と、全体を強く優しく包み込む村の工務店さんの技術力。


また、動線が一番大切!と仰っていた施主様。

間取り図で動線への配慮を見て下さい。




平面図1階平面図2階




施主様と住まいづくりについてお話しして感じたこと2つ目が、

お子様の成長とともに変わる介護のカタチ。

それは、ご両親のお子様の立場に寄り添った、未来を愛でる配慮でした。


段差解消、車椅子や介護スペース確保という通常のバリアフリーだけでなく、

家族との過ごし方(家事と介護と視界)、1日の時間の使い方、訪問看護時などの

パブリックとプライベートの確保、お子様の成長とともに変化する心情を加味して形作られました。


引き戸5枚で、スペース・視界・プライベートを確保ウッドデッキ。緩やかな傾斜のもと玄関からウッドデッキ、室内へと車椅子で移動できます。素敵なフォルムの道具。


上の写真左から、1階LDKとベッドルームAとの境界を引き戸5枚にすることで、スペース・視界・プライベートを確保しています。

中央写真、玄関から裏のウッドデッキまでつづき、緩やかな傾斜のもと室内へも出入りできます。


そして、右の写真、初めて見る素敵なフォルムを持つ道具が吊り下げられています!!!


「これは何でしょう?」と奥様から笑顔で、クイズが始まりました。

さて、その答えは・・・。


栄養剤容器&チューブ乾燥ホルダー


答えは、「栄養剤容器&チューブ乾燥ホルダー」でした!

シンクの上に設置できることで、洗浄消毒後にさっと引っ掛けます。 凄い。便利。そして美しいデザイン。

白もいいけど、赤も欲しい!と話しが盛り上がりました。


また、珪藻土の白い壁、木の床、木の柱は人に優しく寄り添います。

長く日本で受け継いできた木造在来工法は、日本の風土やリズムにあわせて呼吸します。

また、ときと共に、理想の家に近づくことが可能です。

テレビボード看る視点。キッチンと収納。

【左写真】 フォレスタイルポイントを使用して作られたテレビボード

【右写真】 看る視点。テーブルとキッチンの横長な関係は、愛でるカタチ。また、キッチン収納を瞬時に隠すことが可能です。


数え切れないほどの、相手に寄り添うカタチが、そこにはありました。

できそうで、難しい。

でも、一人だと難しいことも、様々な専門の方や、似た境遇の親御さんなどのつながりから実現されたと感じました。


そういった、人と人の間にある「関係」の大切さや可能性を知っている施主様。
フォレスタイルも、関係づくりのお手伝いをしています。

「バリアフリーと豊かな空間」を実現されたお住まいについて、ご質問などございましたら、

お気軽にフォレスタイル事務局までお問い合わせください。


施主様と住まいづくりについてお話しして感じたこと3つ目が、

施主様ご家族とお住まいにお会いして、「明るさ」はどこからくるのかがわかったことでした。


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東白川村アンテナショップのお知らせ

東白川村便り|2015月04月27日

一宮近郊の皆様!東白川村の特産品が一宮で買える!


実は、愛知県一宮市と犬山市に東白川村のアンテナショップがあるんです。

今回は、一宮店の紹介です。

一宮店は、東陽住建株式会社様のご厚意により、本社となりのイベント館の一部を間借りして、

ぎふ東白川村アンテナショップが常設されています。


アンテナショップ一宮店


東白川村東濃ヒノキひのきをふんだんに使用した家づくりをされている東陽住建様。

村と協定して森を守る活動「ヒノキ3000本プロジェクト」で様々な連携を図っていただいています。

植える → 育てる → 使う → 植える

いくつものイベントや木の家づくりを通して、「森を守る」 と 「東白川村東濃ヒノキの良さを広める」

をしていただいています。


そして、ついに、建材以外の特産品までも。

ありがとうございます!!!


大人気のトマトジュース「とまとのまんま」が一宮で買えてしまう。


店内


白川茶が、神棚が、木工製品が、買えるんです!


木工製品


また、月に1度の東陽住建様のフェアに合わせて、東白川村から旬の幸をお届けに参ります。

5月は17日(日)です。お待ちしてまーす。



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東白川村現地見学ツアー開催しました。

東白川村便り|2015月04月20日

フォレスタイルツアー 2015 spring 1st


4月12 日(日)に、東白川村現地見学ツアーを開催しました。


IMG_8936


街より少し遅れて満開を迎えた桜がそこかしこに咲き誇り、暖かな陽光が気持ち良い、村内巡りに絶好の日和となりました。

今回は2組様をお迎えし、東白川の家づくりに使われるヒノキが森から伐り出され、集積され、製材され、加工される過程の各施設へご案内しました。


案内役は東白川村製材組合の桂川恒裕さん。


説明



最初に、森から伐り出された丸太が集められる森林組合(木材市場) を訪ねました。

ヒノキ、スギ、サワラ、マツ、いろいろな種類の木が積まれている光景は壮観です。



東白川村が誇る東濃ヒノキ、その特徴は?

といえば、冬場はマイナス15度ほどを記録することもあるくらい冷え込む風土のため、

目が詰まって固く丈夫であることがあげられます。樹の年齢を示す年輪が細かく輪を描いているのはそれゆえです。

一方、九州など暖かい地域で育つヒノキは、年輪の幅が広く柔らかいそうです。


切り口をよく見てみると、中央部は赤みを帯びていて、まわりを囲んでいる部分は白っぽいのが分かります。

「人間で言うならば、赤い部分が大人、白 い部分は子供。柱など建物を支える木材に加工されるのは、

中央の成熟した部分です。まわりの白い部分は床材や壁材に加工されます。」

これほどくっきりと綺麗な輪が見えると、思わず数えたくなります。「いち、に、さん…」

「ここにある丸太の根元部分を元口、てっぺんを末口と言います。元口と末口でも、年輪の数が違ってくるんですよ。」


ツアー


元口と末口を区別することは、丸太から製材される過程で大事なポイントとなるそうです。

というのも、柱となって住まいを支える際、もともと地に根を張っていた方を下、空高く伸びていた方を上とする必要があるからです。


この他にも、住まいをかたちづくる木材についての豆知識がたくさん詰まった説明に、

「こういう機会がなければ、自分の家に使われる木材がどこから来て、どのような特徴を持っているのか、

分からないもの。参加できて良かった。」と満足のお言葉を参加者様からいただきました。


お昼は、かつてヒノキの種を採取していた母樹林にて、レジャーシートを広げみなさん揃ってお弁当をいただきました。

”山弁”と銘打たれたお弁当は、地元NPOと旅館がコラボして里山を訪れる方たちに東白川の味覚を楽しんでもらおうと

考え出したものです。「どんなお弁当なの?」気になるところですが…食事中も家づくりについ ての話が弾み、

すっかりお弁当の写真を撮りそびれてしまいました。また次の機会にご紹介できればと思います。


フォ レスタイルでは、今後も随時ご希望の方がいらっしゃいましたら、現地見学ツアーにご案内したいと考えております。

お気軽にお問い合わせください。

また、5月31日(日)にお茶摘み体験を企画しています。詳細が決まり次第お知らせいたします。


これからの時期、東白川村は山々の木が芽吹き、緑が眩しいほど美しく清々しい気候の季節が到来します。

ご自身のお住まいをかたちづくる木材のふるさとへ、遊びにいらっしゃいませんか?

4月12 日(日)に、東白川村現地見学ツアーを開催しました。街より少し遅れて満開を迎えた桜がそこかしこに咲き誇り、暖かな陽光が気持ち良い、村内巡りに絶好の日和となりました。
今回は2組様をお迎えし、東白川の家づくりに使われるヒノキが森から伐り出され、集積され、加工され、製材される過程の各施設へご案内しました。
案内役は東白川村製材組合の桂川恒裕さん。(写真)
最初に、森から伐り出された丸太が集められる森林組合(木材市場) を訪ねました。ヒノキ、スギ、サワラ、マツ、いろいろな種類の木が積まれている光景は壮観です。
東白川村が誇る東濃ヒノキ、その特徴は?といえば、冬場はマイナス15度ほどを記録することもあるくらい冷え込む風 土のため、目が詰まって固く丈夫であることがあげられます。樹の年齢を示す年輪が細かく輪を描いているのはそれゆえです。一方、九州など暖かい地域で育つヒノキは、年輪の幅が広く柔らかいそうです。
切り口をよく見てみると、中央部は赤みを帯び ていて、まわりを囲んでいる部分は白っぽいのが分かります。「人間で言うならば、赤い部分が大人、白 い部分は子供。柱など建物を支える木材に加工されるのは、中央の成熟した部分です。まわりの白い部分は床材や壁材に加工されます。」
これほどくっきりと綺麗な輪が見えると、思わず数えたくなります。「いち、に、さん…」
「ここにある丸太の根元部分を元口、てっぺんを末口と言います。元口と末口でも、年輪の数が違ってくるんですよ。」
元口と末口を区別することは、丸太から製材される過程で大事なポイントとなるそうです。というのも、柱となって住まいを支える際、もともと地に根を張っていた方を下、空高く伸びていた方を上とする必要があるからです。
この他にも、住まいをかたちづくる木材についての豆知識がたくさん詰まった説明に、「こういう機会がなければ、自分の家に使われる木材がどこから来て、どのような特徴を持っているのか、分からないもの。参加できて良かった。」と満足のお言葉をいただきました。
お昼は、かつてヒノキの種を採取していた母樹林にて、レジャーシートを広げみなさん揃ってお弁当をいただきました。”山弁”と銘打たれたお弁当は、地元NPOと旅館がコラボして里山を訪れる方たちに東白川の味覚を楽しんでもらおうと考え出したものです。「どんなお弁当なの?」気になるところですが…食事中も家づくりについ ての話が弾み、すっかりお弁当の写真を撮りそびれてしまいました。また次の機会にご紹介できればと思います。
フォ レスタイルでは、今後も随時ご希望の方がいらっしゃいましたら、現地見学ツアーにご案内したいと考えております。お気軽にお問い合わせください。
これからの時期、東白川村は山々の木が芽吹き、緑が眩しいほど美しく清々しい気候の季節が到来します。
ご自身のお住まいをかたちづくる木材のふるさとへ、遊びにいらっしゃいませんか?



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東白川村現地見学ツアー参加者募集【メンバー様3組限定】

お知らせ|2015月02月17日

フォレスタイルツアー 2015 spring 1st.


【開催日程】平成27年4月12日(日曜日)10:00~13:45

【募集締切】平成27年3月31日(火曜日)先着順


フォレスタイルがご用意する、メンバー様向け特典の1つ。

東白川村東濃ひのきが皆様の生活に寄り添うまでを体感できる

「フォレスタイルツアー」にメンバー様、先着3組様をご案内します。


母樹林


東白川村は豊かな森があり、丹精込めて育てられた木々を、

素材のよさを活かして丁寧に整え、豊かな家を木でつくる。


森林組合



ツアーに参加して、東白川村の自然や、東濃ひのきの森のめぐみを体感してみませんか?

美しく整備された森林のなかでの昼食もご用意しています。

詳細チラシ(PDF)はこちら↓

http://forestyle-home.jp/download/forestyle_tour_spring_1st.pdf

※フォレスタイルツアーにご参加いただくには、「フォレスタイルメンバー」にご登録いただく必要があります。

ニックネームとメールアドレスだけで登録完了!



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木の家 事例集 ~撮影現場から~

建築レポート|2014月12月26日

土間からDOMAへ


おととい、完成住宅の写真撮影にお邪魔してきました。

おおよそ1年から長くて2年ほど前に、ご縁をいただいたお施主様が、

建築士さん工務店さんと話し合いを重ねられ、住まいに対する思いや願いを

どのようにかたちづくられたのか…。

その様を見ることができるのは、私たち事務局職員にとって醍醐味のひとつです。


ブログ~1



玄関を開けて迎え入れるのは、長く伸びる土間です。

一直線に並ぶペンダントライトに照らされ、さながらギャラリーのようです。

かつての生活文化に欠かせない空間が、デザイン性を伴って住まいにすんなりと馴染む様は粋を感じさせます。

奥まで進むと和室につながっており、手前にあるリビングを通ることなく、直接出入りできるようになっています。

機能性と同時に、遊び心も感じられるつくりです。


こちらのお住まいは暖房の仕組みにこだわられており、師走の寒さも忘れるほど、

肌に心地よい温かさが家中を包み込んでいました。

ふんだんに使われた木のぬくもりと相まって、特に冬場はお家に帰るのが待ち遠しくなるような、

そんなお住まいです。

外観と各部屋の様子は、近日中に掲載する木の家事例集でご覧いただけます。

お楽しみに。

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サントリー「天然水の森 ぎふ東白川」

東白川村便り|2014月11月05日


サントリー「天然水の森 ぎふ東白川」
森林整備体験研修~枝打ち~
東白川村は国、県、企業と連携して豊かな森づくりに取り組んでいます。
今回は、その活動の1つ、サントリー「天然水の森 ぎふ東白川」
【岐阜県企業の森事業】を紹介します。
2012年に東白川村の村有林の167haを対象に、村と県、そしてサントリーさんと
森林保全に関する協定を結んでいます。東白川村の森は、木曽川・飛騨川流域に位置
し、愛知県犬山市にあるサントリー木曽川工場の水源涵養エリアにあたります。
村、県、企業が連携して水源涵養機能が高い森づくりを進めるもので、
国、県、地元自治体と協働して、針葉樹人工林の間伐と間伐材の有効活用、
渓畔林整備、植樹、植生配置及び林分構造の適正化による生物多様性保全
などの活動を展開しています。
清らかな水は、豊かな森から生まれる。
豊かな森とは。光が入る森。
特に人工林おいては、人が森に入らないと豊かさが保たれません。
育苗、地拵え、植林、下刈り、つる刈り、枝打ち、間伐、主伐など。
人が手を加えることによって、森に光が入り、生物多様性が生まれます。
また、植林された、ひのきも優良材として輝きます。
今回、サントリーさんが体験研修されたのは枝打ち作業。樹木の成長が止まる
秋から冬に行われます。30年生のヒノキの枝を高枝ノコギリで、枝の付け根から切り落とす作業です。
この枝を放ってほくと、枝が重なり合って森が暗くなったり、枯れた枝から害虫が
侵入したりします。また、、枝打ちした箇所は、やがて新しい樹皮がその傷を包み込み
節のない美しい木目となります。
森に人が入る、木を育てることは、豊かな森を育て、清らかな水を育み、山の持つ
様々な機能を保つ事につながります。
東白川村の山は、ヒノキをはじめ、様々なコトやモノ、そして人と人をつなげています。
10月末日、東白川村にてサントリーグループ東海社員さん中心に
120名余りの方が、森林整備体験研修を行いました。

サントリー「天然水の森 ぎふ東白川」
森林整備体験研修~枝打ち~

東白川村は国、県、企業と連携して豊かな森づくりに取り組んでいます。
今回は、その活動の1つ、サントリー「天然水の森 ぎふ東白川」
【岐阜県企業の森事業】を紹介します。
2012年に東白川村の村有林の167haを対象に、サントリーさんと村と県は、森林保全に
関する協定を結んでいます。東白川村の森は、木曽川・飛騨川流域に位置し、
愛知県犬山市にあるサントリー木曽川工場の水源涵養エリアにあたります。
その一環の活動として、10月末日、東白川村にてサントリーグループ東海社員さんを中心に
120名余りの方が、森林整備体験研修を行いました。
枝打ち研修1

清らかな水は、豊かな森から生まれる。

豊かな森とは。光が入る森。人が入る森。
特に人工林おいては、人が森に入らないと豊かさが保たれません。
育苗、地拵え、植林、下刈り、つる刈り、枝打ち、間伐、主伐など。
人が手を加えることによって、森に光が入り、生物多様性が育まれます。
また、植林されたヒノキも優良材として輝きます。
今回、サントリーさんが体験研修されたのは枝打ち作業。樹木の成長が止まる
秋から冬に行われます。30年生のヒノキの枝を高枝ノコギリで、枝の付け根から切り落とす作業です。
枝打ち研修2
この枝を放っておくと、枝が重なり合って森が暗くなったり、枯れた枝から害虫が侵入したりします。
また、枝打ちした箇所は、やがて新しい樹皮がその傷を包み込み節のない美しい木目となります。
森に人が入り、木を育てることは、豊かな森を育て、清らかな水を育み、山の持つ様々な機能を保つ事につながります。
東白川村の山は、ヒノキをはじめ、様々なコトやモノ、そして人と人をつなげています。


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東濃檜のいろんなこと①

東濃檜のいろんなこと|2014月09月18日

【檜と書物】  えっ!檜は胸毛!?


世界に誇る建材!東濃檜を紹介するシリーズ。

第1回は書物から、檜と人の関わりを探っていきます。

檜は日本の書物の中でいつ頃から登場したのでしょうか。

日本最古の歴史書である古事記(712年)、そのあとに撰進された日本書紀(720年)を調べてみました。


では、古事記から。ありました!古事記 上巻3 天照大神と須佐之男命にて登場します。

スサノオが出雲の国にて老人と老女と少女と出会う場面。ヤマタノオロチの容姿の説明をするところに出てきます。

なんと、ヤマタノオロチの背中に杉と檜が生えていた!

【原文】↓

故、所避追而、降出雲國之肥上河上・名鳥髮地。此時箸從其河流下、於是須佐之男命、以爲人有其河上而、尋覓上往者、老夫與老女二人在而、童女置中而泣、爾問賜之「汝等者誰。」故其老夫答言「僕者國神、大山上津見神之子焉、僕名謂足上名椎、妻名謂手上名椎、女名謂櫛名田比賣。」亦問「汝哭由者何。」答白言「我之女者、自本在八稚女。是高志之八俣遠呂智此三字以音毎年來喫、今其可來時、故泣。」爾問「其形如何。」答白「彼目如赤加賀智而、身一有八頭八尾、亦其身生蘿及檜榲、其長度谿八谷峽八尾而、見其腹者、悉常血爛也。」


【現代訳】↓

こうして追放されたスサノオは出雲の国の、斐伊川の上流にある鳥髪というところに降りた。

そのとき、川の上流から箸が流れてきた。

そこでスサノオは川上に人がいると思い、それをたずねて、上っていくと、老人と老女が二人、少女を間に泣いていた。

そこで「おまえたちは誰だ」とおたずねになった。

すると老人が「私は国つ神の、大山津見(オオヤマツミ)の神の子です。

私の名は足名椎(アシナヅチ)といい、妻の名は手名椎(テナヅチ)といい、

娘の名は櫛名田比売(クシナダヒメ)といいます」と答えた。

また、「おまえはなぜ泣いているのか」と問えば、

「私の娘は、もとは八人おりましたが、高志のヤマタノオロチが毎年やってきて食べてしまいました。

今がやって来る時期なので、泣いているのです」と答えた。

そこでスサノオが「それはどのような姿をしているのか」とたずねると、

老人は「目はほおずきのように真っ赤で、胴体は一つで八つの頭と八つの尾を持ち、

背中は苔むし、檜や杉の木が生えていて、その長さは八つの谷、八つの峰にわたり、その腹はいつも血が滲んでいる」と答えた。


ヤマタノオロチはでかかった。


つづいて日本書紀。巻01/神代上にて登場します。

ここでの檜の扱い方から、この時期ではすでに木の特性を知り、使い分けていたことがうかがえます。

それでは、原文と訳を先に。


【原文】↓

一書曰、素戔嗚尊曰「韓鄕之嶋、是有金銀。若使吾兒所御之國、不有浮寶者、未是佳也。」乃拔鬚髯散之、卽成杉。又拔散胸毛、是成檜。尻毛是成柀、眉毛是成櫲樟。已而定其當用、乃稱之曰「杉及櫲樟、此兩樹者、可以爲浮寶。檜可以爲瑞宮之材。柀可以爲顯見蒼生奧津棄戸將臥之具。夫須噉八十木種、皆能播生。」于時、素戔嗚尊之子、號曰五十猛命。妹大屋津姬命、次枛津姬命、凡此三神、亦能分布木種、卽奉渡於紀伊國也。然後、素戔嗚尊、居熊成峯而遂入於根國者矣。棄戸、此云須多杯。柀、此云磨紀。


【現代訳】↓

一書に曰く、スサノヲ尊がいうには、

「韓(から)の国には金銀がある。もしも我が御子の治める国に、船がなかったならば良くないだろう。」

こう言って、次々と鬚(ひげ)を抜き取ったところ杉となり、胸毛を抜き取ったところ檜(ひのき)となり、

尻の毛は柀(まき)の木となり、眉の毛は樟(くす)の木となった。

さらにその用途を定め、提言して言うには、

「杉の木と樟の木と、この二つの木で船をつくるがよい。檜は、立派な御殿をつくる用材にする。

柀は、この世に生きとし生ける者の、墓の棺に用いるがよい。

食用となる数々の果樹の種子は、よく蒔いて育てなさい。」このように言った。

時にスサノヲノ尊の御子は、名をイソタケルノ命と言った。

その妹は、大屋津姫命(オホヤツヒメノミコト)。次に抓津姫命(ツマツヒメノミコト)。

すべて三柱の神も、よく木種(コダネ)を蒔いて歩いた。この三柱の神は、紀伊(き)の国に祭ってある。

このあと、スサノヲ尊は熊成(くまなり)の峰(みね)にいて、やがて根国(ねのくに)に赴いた

棄戸、此をばスタへと云ふ。柀、此をばマキと云ふ。

※河出書房新社版『古事記・日本書紀』参照


棄戸(スタへ)・・屍を棄てる瓮(へ)  樟・・・クスノキ

瓮(へ)・・酒や水を入れる器      柀・・・コウヤマキ


檜はスサノオ尊の胸毛でした!


また、檜は御殿の建材として使われていました。檜は香り豊かで、加工が容易な上に緻密で狂いがなく、

時間の経過とともに色艶に味わいがでてきます。また、切られてから200年は強度が増していきます。

他の建材はゆるやかに強度が弱くなる中で、檜は世界に誇る建材です。

スギとクスノキは船に。柀(マキ)は棺に使われており、それぞれ、発掘されたものから使用されていたことが確認されています


古代から日本人は、樹木の特性を知り、用途によって使い分けていました。

古代から延々と受け継がれている、知恵と技術。

歴史とともに培われた自然と人への優しさ、東濃檜と無垢の家。

東濃檜は、香り高く淡いピンクで、艶があり時と共に光沢が増し、加工性や強度に優れています。

そんな東濃檜を紹介していきます。


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木の家 事例集~撮影現場から~

建築レポート|2014月09月09日

フォレスタイルのホームページでは、個性あふれる住まいの数々を掲載しています。

今回は、この撮影現場を少しご紹介したいと思います。(Pick up事例29)


住宅が完成すると、事務局スタッフはカメラマンさんと共に、写真撮影にお邪魔します。

東濃ひのきをはじめ、ふんだんに木材を使用した室内に足を踏み入れると、

木の香りに包まれ何ともいえない心地よさを覚えます。


カメラマンさんは、ひと部屋ひと部屋丁寧にアングルを決め、最も魅力が伝わる一枚を求めて何度もシャッターを切ります。

時に、事務局スタッフの要望も取り入れてもらい、相談しながら撮影は進められます。

撮影風景①


家具も電化製品もないまっさらな状態を眺めつつ、これからお施主様がどのようにお部屋をコーディネートされていくのか…

想像が膨らみます。


下の写真は、このお宅の大きな特徴のひとつとなっている、2階階段ホールに設けられたフリースペースからの撮影風景です。

撮影風景②


ここは、お子さんがのびのびと遊んだり、本を読んだりできるように…との思いが込められています。

床がスノコ状になっているので、階下の気配が手に取るように感じられます。


一番時間を割くのは、それぞれのお住まいの顔である外観図です。

日中の明るい状態と空が薄暗くなりはじめた状態と2パターン撮影します。

特に、夕景の撮影では全窓から部屋の明かりが輝き、昼とは全く違った表情を見せます。

住まわれてからはカーテンをつけられるため、光と影のコントラストの妙を撮影できるのはこの時限り、貴重なものなのです。


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東白川村から旬をお届け 産地直送の野菜ボックス

ポイントシリーズ|2014月08月19日


フォレスタイルポイントを利用した産直野菜ボックス
8月分の紹介します。
今回出荷された野菜達は、ナス、ゴーヤ、キュウリ、
ピーマン、甘長唐辛子、トマト、ミニトマト、ジャガイモ
タマネギ、カボチャ、ナシウリ(マクワウリ)です。
ひとつ、ひとつ、気持ち(想い)を具現化する「住まいづくり」
そして、それは、家を建てるだけでは完成しない。
家にいる時間とともに創りあげられる質感。
お気に入りと同居する。住まいは、人の内側ともいえる。
人は、自分の内側を具現化した空間で安らぎを享受する。
フォレスタイルは、皆様の想いをかたちにするお手伝いを
しています。気持ちを具現化する「住まいづくり」をされる
皆様に近づけれるよう、自分の内側をかたちにすることを
意識しています。
ということで、私のお気に入りを表現!
東白川村の夏野菜に
手を加え、お気に入りを創作しました。
中東の生活道具たち。好きな色、好きな香り、好きな味わい。フォレスタイルポイントを利用した産直野菜ボックス
フォレスタイルポイントを利用した産直野菜ボックス8月分を紹介します。
今回出荷された野菜は、ナス、ゴーヤ、キュウリ、ピーマン、甘長唐辛子、トマト、ミニトマト、
ジャガイモ、タマネギ、カボチャ、ナシウリ(マクワウリ)です。
東白川村の夏野菜に手を加え、お気に入りを創作しました。
トマト、パプリカ(黄)、枝豆をクレタ島のEXバージンオリーブオイルで和えました。
ガーリックパウダーと有機バジル、パルメジャーノレッジャーノをふりかけて。
ブログ野菜8月③
「住まいづくり」は、ひとつ、ひとつ、気持ち(想い)を具現化する作業です。
そして、それは家を建てるだけでは完成しません。
家にいる時間とともに創りあげられる質感。
お気に入りと同居する。住まいは、人の内側ともいえます。
人は、自分を表現した空間で安らぎを感じるのでは。
フォレスタイルは,みなさまの想いを「かたち」にするお手伝いをしています。
「住まいづくり」をされる、みなさまに共感できるよう、
自分の内側を「かたち」にすることを意識しています。
ということで、私のお気に入りを表現!部屋にいた小物たち。
ブログ野菜8月①
中東の生活道具たち。好きな色、好きな香り、好きな味わい。
テーブルも表現!
ブログ野菜8月②
みなさまの心の内にある「好きなモノ」とは、どんなものでしょうか。


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東白川村から旬をお届け 産地直送の野菜ボックス

ポイントシリーズ|2014月07月14日

こんにちは。フォレスタイル事務局の樋口です。

こんにちは。フォレスタイル事務局の樋口です。
フォレスタイルポイントを利用した産直や際ボックス7月分が発送されました。
今回の野菜は、ナス、トマト、甘長とうがらし、ジャガイモ、タマネギ、ニンニク、
キュウリ、ズッキーニ、大根、リーフレタス、青紫蘇、バジル、水菜、細ネギです。
標高600m程の圃場は平地と比べ涼しく、さわやかな空気が流れていました。
その様子をパシャリ。まずは、こうみえてカボチャの仲間ズッキーニ。
甘え上手なズッキーニ
【写真】
私は素焼きにしてからオリーブオイル、塩をかけて食べています。
炒めても炊いてもおいしいズッキーニ。無条件に愛する夏の食材です。
黄色い方も。葉や茎に触れるとチクチク痛いのも愛らしい。
【写真】
こちらはツルンプリンとした茄子。
【写真】
東濃ヒノキ無垢の家の食卓に、鮮やかな彩りをそえる夏野菜の紹介でした。こんにちは。フォレスタイル事務局の樋口です。


フォレスタイルポイントを利用した産直野菜ボックス7月分が発送されました。


今回の野菜は、ナス、トマト、甘長とうがらし、ジャガイモ、タマネギ、ニンニク、

キュウリ、ズッキーニ、大根、リーフレタス、青紫蘇、バジル、水菜、細ネギです。


標高600m程の圃場は平地と比べ涼しく、さわやかな空気が流れていました。


その様子をパシャリ。まずは、こうみえてカボチャの仲間ズッキーニ。


甘え上手なズッキーニ


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私は素焼きにしてからオリーブオイル、塩をかけて食べています。


炒めても炊いてもおいしいズッキーニ。無条件に愛する夏の食材です。


黄色い方も。葉や茎に触れるとチクチク痛いのも愛らしい。

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こちらはツルンプリンとした茄子。

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東濃ヒノキ無垢の家の食卓に、鮮やかな彩りをそえる夏野菜の紹介でした。



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