花たより|2010月10月29日
秋が深まってくるにつれ、野山にはだんだん花が少なくなってきます。
しかし、きれいな実を付ける植物が目立つようになります。
少しづつ色鮮やかになってきた小紫式部(こむらさきしきぶ)です。
紫式部に比べ、全体に小型であることから付いた名前です。
紫色の実の清楚な美しさを、平安時代の女流作家、紫式部になぞらえたとか。
6月から7月に淡い紫色の小花をつけますが、あまり目立ちません。
花より、色のきれいな実に魅かれる方が多いのではないでしょうか!?
直径3ミリほどの小さな実は、野鳥たちの好物でもあるようです。
花言葉は「聡明」
源氏物語の作者さんにぴったりの花言葉ですね。
花たより|2010月10月26日
この花の名前はご存知でしょうか?!
杜鵑(ほととぎす)です。
鳥ではなく、花です。
花弁の模様が、ホトトギスの胸毛の模様に似ていることから付いた名前です。
春を告げるホトトギスの鳴き声は好きですが、この花弁の模様はちょっと苦手です。
皆さんはどうですか?
花はどちらかというと、日陰に咲き、色合いも地味なので目立ちません。
しかし、毎年この時期になると、咲いているか気になります。
紫という花の色合いからか、なんとなく秘めたものを感じ、惹かれる花です。
花言葉は「秘めた意志」
アジアに生育している19種類のうち、半分は日本原産であるとか。
日本は杜鵑(ほととぎす)の中心地ということでしょうか?!
おまけの一枚!
里にも秋が…事務局入口の紅葉です。
花たより|2010月10月22日
至るところで、紫がかった白い小さめな菊のような花を見かけませんか?
野山に咲く菊を大雑把にまとめて野菊と言うようです。
私がカメラに収めた菊は野紺菊(のこんぎく)。
断定はできないので、違っているかもしれません。(違っていたらごめんなさい)
野にある紺色の菊ということで付いた名前です。
それぞれの名前を持つ野菊は、姿形がよく似ていて、見分けが難しいです。
葉っぱに付く毛や種子に付く冠毛の長さで見分けをするのだそうです。
群落を作って咲く花の姿も見事ですが、私は開きかけた一つ一つのつぼみが好きです。
濃い紫色…これを紺色というのでしょうか?!…の鮮やかな色合いが美しく魅かれるところではないでしょうか。
花言葉は「守護」
花たより|2010月10月19日
ちょっとジメジメした所に群生して咲いている姿が目を惹きます。
花が咲き始めた近頃では、あちこちでその姿を目にし、見ごたえのある風景です。
この花は溝蕎麦(みぞそば)です。
水の豊かな溝に生育し、蕎麦の花に似ていることから付いた名前です。
ユニークな呼び名が「牛の額」。葉っぱをよく観察すると確かに牛の顔に見えました。
私は「金平糖の花」と勝手に呼んでいました。
周りの人たちとも、その呼び名でわかり合えてしまいます。
調べてみたら、やはり金平糖草(こんぺいとうぐさ)とも呼ばれるとのこと。
近寄って見るとなかなかかわいらしく、可憐な花の姿に驚きました。
遠目にはやはりお菓子の金平糖に見えます。
素手で一枝折ろうとしたら、チクッとし、よく見たら茎には無数の小さなトゲがありました。
花言葉は「純情」
花たより|2010月10月15日
秋の七草の一つ、藤袴(ふじばかま)ではないかと思い、早速カメラに収めました。
しかし、よくよく見て観察すると、藤袴(ふじばかま)ではありません。
違いは葉っぱにあるそうです。
藤袴(ふじばかま)は、葉っぱが三裂するのが特徴だとか。
写真の花の葉っぱは2枚の対性です。
藤袴(ふじばかま)の仲間で、鵯花(ひよどりばな)という名前の花です。
一般的に鵯花(ひよどりばな)は名も知れぬ野草。
名前がかわいらしく、花の雰囲気が実にいいですね。
鵯の鳴く頃に咲くというのが名前の由来ですが、実際には鵯は一年中鳴いていますよね。
毛羽立ったように感じる花がなんとなく小鳥の産毛にも思えます。
花言葉は「清楚」
野草とは侮れない清楚な姿でした。
花たより|2010月10月12日
さわやかな秋晴れのある日、何の前ぶれもなく、優しい香りが届きました。
香りによって存在がわかる花・・・金木犀(きんもくせい)
中国南部原産で江戸時代に渡来した花です。
日本では好んで植えられ、至るところで見かけます・・・というより、至るところで香りがします。
この花の匂いがすると、その場で何度も何度も深呼吸をしませんか?!
甘い香りは、優しく幸せな気分にさせてくれます。
「トイレの芳香剤だ」なんて言う人もいるようですが、香りでは、春の沈丁花(じんちょうげ)、夏の梔子(くちなし)に並びます。
花言葉は「謙虚」「謙遜」
一つ一つの花はとても小さくて目立ちません。
香りを優先させるところなど、謙虚ですよね。
花たより|2010月10月07日
刈取りの終わった田んぼの畦道などで、白い小さな花があちこちで見られます。
1~1.5センチ程の可憐な花の正体は、現証拠(げんのしょうこ)でした。
花よりも薬草として名高いかも…
薬効がすぐに“現”われることから付いた名前です。
特に下痢によく効くということで、調べてみたところ、我が家にある市販薬にも含まれていました。
別名神輿草(みこしぐさ)とも言われ、花の終わった後に、お神輿の飾りのような実をつけるそうです。
写真は白い花ですが、東日本には白い花が多く、西日本にはピンクの花が多いとのことです。
夏から秋にかけて、次々と咲き続ける花、皆様の地域では何色の花が見られますか?
花言葉は「強い心」
かわいらしい花の姿、形からは想像もつかないような花言葉ですね。
花たより|2010月10月01日
今日から10月です。
そろそろ暖房器具の欲しい時期になってきました。
2.3週間程前から野山の至る所で風に揺れる姿を見かけ、妙に気になるので、カメラを向けてみました。
虎杖(いたどり)の花です。
若芽と茎は食用に、地下茎は薬用になります。
虎杖(いたどり)といえば、春の山菜ですが、初秋には写真のような白い花が咲きます。
ご存知でしたか?!
この白くふわふわとしたものが集まって咲いている訳ですから、目につきます。
近寄ってみると、落ち着いた色合いのかわいらしい花がついていました。
子どもの頃は花のことなど、気にもしませんでした。
学校帰りに道端の虎杖(いたどり)の茎を折って食べたら、酸っぱくて吐き出したことが思い出されます。
今の子どもたちは、これが生で食べられることを知っているのでしょうか?!
痛みを取るということから付いた名前です。
花言葉の「回復」は、名前の由来からわかりますね。