花たより|2012月02月29日
私がこの深山樒(みやましきみ)の写真を撮りに山へ出かけたのは、寒い日でした。
山奥の空気は冷たく、立派な霜柱もあちらこちらで見ることができました。
雪も何度か降りました。
氷点下まで冷え込む日が続き、今年の冬は特に寒かったはずです。
そんな極寒の地にありながら、真っ赤な実はつやつやで、凛とした姿でいるではありませんか…
生命力というものを、ヒシヒシと感じた瞬間でした。
春になると白い小さな花をたくさん付けるそうですが、すでにその準備も進んでいました。
仏事に使う樒(しきみ)とは別種です。
樒(しきみ)はシキミ科で高い木に成長しますが、深山樒(みやましきみ)はミカン科で木は大きくならないとのことで、横に這うように群生していました。
花言葉は「寛大」
花たより|2012月02月22日
生け垣や庭木として植えられているモチノキ科の犬黄楊(いぬつげ)
葉っぱの陰に隠れて分かり難いですが、直径5ミリ程の黒い実を発見!
よくよく見れば、あっちにもこっちにもたくさんありました。

写真の犬黄楊(いぬつげ)は雨上がりに撮ったものですが、しっとり感がいいです。
モチノキ科の樹木はふつう赤い実をつけますが、犬黄楊(いぬつげ)だけは果実が黒くなるとのこと。
櫛などの材料になる「つげの木」は、材質が硬く、本黄楊(ほんつげ)というツゲ科の植物で、犬黄楊(いぬつげ)とは、全くの別種です。
本黄楊(ほんつげ)は葉が対生するのに対して、犬黄楊(いぬつげ)の葉は互生しています。
初夏に、白くて小さな可愛らしい花をつけるのが今から楽しみです。
花言葉は「魅惑」
花たより|2012月02月15日
葉も幹も枝も、一年中緑色をしていることから、名前が付いた青木(あおき)

印象は地味です。
毎年この時期になると鮮やかな赤色の実を付け、存在をアピールしている気がします。
日陰に強く、北海道から九州までの日本中で見かけ、日本原産の公害にも強い植物の一つだとか・・・
ヨーロッパでは写真に撮ったような斑入りの葉っぱの青木(あおき)が観葉植物として人気があるそうです。
春に小さなあずき色の地味な花を咲かせます。
花言葉は「若く美しく」「永遠の愛」
「若く美しく」…気になる花言葉ですね。
花たより|2012月02月08日
毎朝、通勤途中に目につく、真っ赤な実。
ナス科でつる性の多年草…鵯上戸(ひよどりじょうご)です。
寒さに耐え続けているからなのか、ちょっとしわくちゃになってきました。
鵯がこの実を好んで食べることから命名されたとか、赤い実を酔って顔を赤らめた酒に強い人(上戸)に見立て命名されたとか、言われているそうです。
(お酒の飲めない人のことを下戸 (げこ)、たくさん飲める人のことを上戸(じょうご)といいますよね。)
美味しそうな果実に見えますが、ずーっとこの場所にあり、食べられた形跡は全くありません。
それもそのはず…この実は有害植物だと言われているのです。
鳥たちもちゃんとそれを知っているのでしょうね。
夏の終わりに、白く可憐な花を咲かせます。
花言葉は「期待」「延期」
花たより|2012月02月01日
今日から2月です。
雪はさほど、ありませんが、底冷えする寒さが身に沁み、春が待ち遠しいです。
材質が桐に似ており、昔の人が葉っぱでご飯を包んだことから名付けられた、飯桐(いいぎり)
道沿いの冬枯れの山の斜面に、赤い実を付けた木がよく目立ちます。
車で走っていても、目に入ってくるこの実に、気付かれたことはありませんか?
近くまで行き、見上げると、実は南天(なんてん)によく似ていました。
遠くからでも目立つのは、横に伸びた枝にぎっしりと実がぶら下がっているからだということがわかりました。
飯桐(いいぎり)の実は鳥も食べないくらいマズイ実だということにも、納得できました。
春に、いい香りのする黄緑色の小さな花が咲くとか…
花言葉は「豊穣」
花たより|2012月01月25日
先日、まだ雪が残る山へ散策に行ってきました。
ずいぶん歩き回り、足を止め一休みした私の目に飛び込んだのがこれです。
白い雪の中からこの真っ赤な実が顔を出していました。
葉っぱに見覚えがあるこの実・・・つやつやしていて美味しそうです。
蔓竜胆(つるりんどう)の実です。
連日氷点下になる寒い雪の残る中でこんなにもたくましく生き延びている蔓竜胆(つるりんどう)
小さいけど鮮やかな色をしたこの実に元気をもらい、なんだか、今年はいいことありそうな予感がしてきました。
花たより|2012月01月18日
新年早々に縁起のよいモノを紹介できないものかと悩んでいるうちに、早や、半月が経ってしまいました。

私の頼りにしている助っ人が薦めてくれたのは、写真の楪(ゆずりは)。
難しい漢字ですが、譲葉(ゆずりは)とも書くそうです。
春先に新葉が出てくると古い葉が譲るように、落葉することから命名されたといい、新旧交代、世代を譲ることにたとえ、縁起の良い物としてお正月や祝い事の飾り物として用いられるとか。
青々とした葉っぱ、それ以上に印象的だったのが、真っ赤な葉柄でした。
時期になるとパッと潔く散って新葉に譲る!…こんな楪(ゆずりは)に、たのもしさを感じ、好感を持ってしまいました。
2012年も皆さまにとってハッピーな一年になりますように…
よろしくお願いします。
花たより|2011月12月28日
ヨーロッパ原産で、江戸時代に野菜として渡来。
結球しない緑色のケールというキャベツが改良され、低温で、葉が美しく発色するようになり、紅白の色合いが、おめでたいことからお正月飾りとして現在のように親しまれるようになったようです。
重なり合った葉が牡丹の花のように美しいことから葉牡丹(はぼたん)といわれるようになったとか。
丸い葉の東京葉牡丹、縮緬状の葉の名古屋葉牡丹などに大別される。
花は4月頃菜の花に似た花が咲きますが、どちらかというと冬の間、葉を愛でる観賞植物です。
花言葉は「慈愛」「利益」
フォレスタイル事務局も本日28日が仕事納めです。
一年ありがとうございました。
皆さま、良いお年をお迎えください。
花たより|2011月12月21日
花は花でも、今回は生花が全くなくなる雪国の人たちが生みだした、縁起のよいお正月の飾り物です。
写真は、先日18日、こもれびの里で迎春に向けてのイベントがあり、そこで作られた花餅(はなもち)です。

東白川の野山でも、寒い冬に咲く花はほとんどありません。
電気が普及するまでは、天候によっては昼間でも家の中は暗かったはずです。
家の中を少しでも明るくしようと考え、形のよい木の枝に紅白の小さな餅を付け、華やかな花に見立て飾ったのが、花餅(はなもち)だとか。
「花餅飾り」は、かつて、飛騨地方の唯一の産業とも言えた農事に由来し、「五穀豊穣」・「無病息災」・「大願成就」を願い、旧年の感謝の気持ちを込めて各々の家庭の大黒柱に飾られていたともいわれています。(東海美の里百選「正月を彩る」から)
23日に東白川で行われるお松様祭りでも手に入れられるようですよ。
花たより|2011月12月14日
今朝は、ずいぶん冷え込みました…外は霜で真っ白でした。
茶室で初めて、目にした時、思わず顔がほころんでしまいました。
趣のある姿はもちろんのこと、名前がいい!
衝羽根(つくばね)といいます。

4枚の羽根がついた実がぶら下がっている姿がユニークで目を惹きます。
羽根つきの羽根に似ていることからついた名前は姿、形から納得できます。
果実は煎って食用に、塩漬けしたものは料理のツマに使うそうです。
かわいらしい姿の衝羽根(つくばね)をお正月の料理の脇にそえるのも目を楽しませてくれていいかもしれませんね。
花言葉は「愛情」