リバーランド建築設計室伊藤　博雄

つづく、家。（これまでと、これからをつなぐ家）時間、空間、人間。「間」を大切にした家づくり。

― 自然のよさを引き出す工夫

暮らし方のデザインを考えます。
①森の中にも町の中にも、ずっと前からその景色の中にあったかのように溶け込みます。その土地の様々な条件にあわせながら、高さを抑え、大地に近い存在であること。窓や軒のラインが整い、すっきりとしていること。
②窓のとりかたの工夫。昼間、室内はやわらかな光で包まれます。天窓を設けたり、部屋を細かく仕切らないことで風が通り、夏は涼しく、冬は暖房の熱が行き届くような工夫。
③窓からはできる限り、太陽の光とあたたかさを取り込みます。でも、夏は強い日差しを遮りたい。軒を長く出すことで、夏と冬の太陽の日差しと上手につきあっていきます。
④外と室内がつながる家。リビングからデッキへ、そして庭へ。庭から靴のまま土間へ。いつも外とのつながりを大切にしています。
⑤小さくても広さを感じる間取り。自然の力と恵みを取り入れていくと、自然に、家のどこにいても家族の気配が感じられるような間取りになります。外観を見たときは小さく見えても、家の中に入ると開放的に感じます。

― 家づくりのアドバイス

家はずっと暮らしていく場所です。毎日そこへ帰り、寝起きして、食事をしたり、くつろいだり、なんにもしなかったりと。そんなふうにして何十年も暮らしていく場所であることを思うと、まさに家は人生と共にある場所です。もしも、人生における“幸せ度”というものがあったとしたら、好きな空間のある家は、日常の中の、その“幸せ度”をまちがいなく高めてくれると思うのです。人生のほとんどが日常の連続。そう考えると「好きな空間」があることは、長い人生においてとても大切なことです。「好きな空間」のある家は、住まい手の人生を豊かにしてくれます。